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原山 泰雄; 染谷 博之; 星屋 泰二
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(10), p.961 - 964, 1991/10
燃料棒内のペレットが、偏心した場合のギャップ熱伝達率について考察した。ペレットが被覆内で偏心すると、ギャップの断面は「三日月形」の領域が形成される。この「三日月形」の領域に関する温度分布を二次元分布として表わした。得られた温度分布より、ギャップ寸法が周方向に変化する場合のギャップ熱伝達率が推定された。結果として、軽水炉燃料棒のようなギャップ寸法の小さいものでは、平均ギャップ熱伝達率は軸対称と考えて求めたギャップ熱伝達率とほとんど変わらないことが示された。この結果は、燃料棒の設計等において、燃料棒内のペレットと被覆を中心軸対称と考えて温度を計算しても、特に問題は発生しないと言う理論的基礎を与える。
原山 泰雄; 京谷 正彦*
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(2), p.151 - 159, 1986/00
被引用回数:5 パーセンタイル:54.53(Nuclear Science & Technology)高性能燃料として、孔開きペレットが提案されている。製造上、孔をペレットの真の中心に穿けることはかなり困難であり、何らかの公差を設けねばならない。本報告は中央の孔が偏心したときのペレット内温度分布および表面に発生する熱流束の変化を解析的に求めている。冷却水温度一定、中央の孔よりの熱の流出はないとした境界条件の下に定常二次元熱伝導方程式が解かれた。その結果、孔が偏心した場合、偏心の反対側内ペレット領域に高温の部分が発生することが分かった。得られた評価式は、高性能燃料の設計および安全性評価に有用であると考えられる。
藤城 俊夫; 白川 典幸*; 鶴田 隆治
JAERI-M 83-187, 58 Pages, 1983/11
反応度事故条件下の燃料の温度挙動を解析し、実験結果と照合する上で、燃料ペレットの偏心によるギャップ熱伝達の周方向分布や被覆管に取付けた熱電対のフィン効果による局所的な冷却の影響が無視できないことが分ってきた。また、ジルカロイ-水反応による発熱やUO-ジルカロイ共晶反応によるペレット・被覆管の融着による影響のためにこの局所的な影響が助長される可能性があることも問題となってきている。そこで、以上の各効果をモデル化し、かつ、パラメータ計算に適するよう短時間で処理できるようにモデルを工夫した二次元燃料挙動解析コードNSR-EXENTを開発した。本報告は、NSR-EXENTの解析モデルおよびサンプル計算にもとづく解析機能の評価結果をまとめたものである。
柳原 敏; 塩沢 周策; 斎藤 伸三
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(6), p.469 - 481, 1982/00
反応度事故条件下における燃料挙動の解明がNSRRにおいて進められている。実験の結果、UOペレットの偏心のために、被覆管温度が円周方向において異なっていることが判明した。この温度差は180°方向に取り付けた2本の熱電対による測定結果では、必ずしも最大の温度差を表してはいないが、測定可能な範囲内で最大150Cであった。他方、照射実験後、酸化膜厚さから温度差を推定した結果では、290cal/g・UOまでの発熱量条件において最大350Cであった。又、簡単な計算により、最大限UOペレットが偏心した燃料棒において被覆管の円周方向の温度差を評価すると、260cal/g・UOの発熱量において最大350Cの温度差が出来ることが分った。このUOペレット偏心の影響は、反形、溶融等にも現れており、UOペレットの偏心が燃料棒の破損にも影響を及ぼしている。
柳原 敏; 塩沢 周策; 斎藤 伸三
JAERI-M 8200, 22 Pages, 1979/05
本研究は、NSRR実験で照射した燃料について、被覆管外表面の酸化膜厚さを円周方向に測定し、酸化膜厚さと被覆管表面の最高温度が強い相関を持つことから、円周方向の最高温度分布を推定した結果についてまとめたものである。実験の結果以下のことが明らかになった。(1)熱電対の取り付け部では、熱電対がフィンとして作用したことによる冷却効果等により、他の部分に比べて常に温度が低い。(2)被覆管の横断面についてみると、円周方向で大きな温度差が生じており、測定温度が約1200C以上の場合には、約100C~600Cの温度差が出来ていることが予想された。この温度分布は、円周方向に沿って展開すると正弦波状になることが多いことから、ペレットが偏心してギャップ幅に差を生じ移動熱量が異なったことによるものと考えられる。